富士山は、その美しい姿から、様々な創作活動の題材となってきました。8世紀に編纂された日本最古の歌集である『万葉集』(まんようしゅう)にも、富士山が詠まれた作品があり、そのひとつでは、富士山を国の鎮めの神であり、宝であると詠んでいます。
登山道
富士山域は、富士山が持つ神聖性の境界の一つである「馬返」より上方の標高約1,500m以上の区域に当たる。
「吉田口登山道」の拠点として多くの登山者に親しまれている馬返しは富士山の標高1450mに位置する富士登山の中継地点です。
五合目付近の標高約2,500mの森林限界より上方の区域は、神聖な区域又は人間にとっての他界(死後の世界)であると捉えられ、道者・富士講信者によって「焼山」又は「ハゲ山」と呼ばれてきた。
そのうち、八合目以上(標高約3,200~3,375m以上)の区域については、1779年以降、富士山本宮浅間大社の境内地であるとされてきた。
それは、山頂に存在する噴火口(内院)の底部に浅間大神が鎮座するとの考え方に基づき、その底部とほぼ同じ標高に当たる八合目から山頂までの区域が最も神聖性の高い区域と考えられてきたからである。
富士山域には、富士山の『信仰の対象』及び『芸術の源泉』の両側面から顕著な普遍的価値を表す9つの構成要素が含まれる。