富士山の東北麓に位置する山中湖は、富士山の火山活動によって形成された堰止湖である。山中湖を含め、富士山の北麓に弧状に点在する大きな5つの湖沼は、富士五湖と総称されている。
富士五湖
その五つは、西から順に本栖湖(もとすこ)、精進湖(しょうじこ)、西湖(さいこ)、河口湖(かわぐちこ)、山中湖(やまなかこ)と呼ばれている。
16世紀後半に長谷川角行が富士山麓の湖沼で「水垢離」などの水行を行ったとの伝承に基づき、富士講信者の間では山麓の8つの湖沼を巡って水行を行う「内八海巡り」の行法が定着した。
内八海は泉瑞(せんずい)(別名:須戸湖)、山中湖、明見湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖、四尾連湖(しびれこ)の八つの湖で、この順番に巡礼を行っていたといわれています。
富士山の外側にある水の聖地を巡る外八海巡りもあり、外八海は琵琶湖、二見浦、箱根湖(芦ノ湖)、諏訪湖、中禅寺湖、榛名湖、桜池、鹿島海(霞ヶ浦)とされています。
八海水行
16世紀後半に角行が自筆したとされる文書には、角行自身が「八海水行」を行った湖沼の一つに、山中湖が挙げられている。
1733年の『三十一日の御巻』においても、食行身禄は「内八海巡り」の巡礼地として8つの湖沼を挙 げている。
「富士講」は富士山登拝、御中道周拝とともに、富士山を取り巻く八つの湖も巡礼していました。これが内八海巡りです。
それらの中でも、その後のいつの時代においても変わらずに水行の場として巡礼の対象とされてきたのが山中湖を含む富士五湖であった。