延暦十九年(800年)(大同3年(808年)とも)、27歳の弘法大師は伊豆巡錫中に仁科を訪れました。弘法大師が当地で読経されていると、森の中の六本の巨木が六条の光を放ちました。
お大師様はこれを六道衆生の苦しみを救済する地蔵菩薩有縁のものと考えられ、ここを富貴野山地蔵金剛法蔵密院と名づけられました。
天長七年(830年)57歳のお大師様はふたたびこの地を訪れ、庵を修復しお堂を建てられて密法修行の地とされました。室町時代には末寺88を有する大霊場として栄え、一時衰えたものの僧・岩仲によって再興開基され、以来文明年間(1469-1486年)まで伊豆第一の山岳仏教の霊地として繁栄したといいます。
その後荒廃していたところ、文亀年間(1501-1504年)、河津逆川村の普門院4世・清安が堂宇を整備、真言宗から曹洞宗に改宗し寶蔵院と号を改めました。
富貴野山は松崎市街地の北東にそびえる標高550mの山で、当山はその山腹にあります。現在は「富貴野山21世紀の森」のなかに堂宇や遺跡が点在するかたちとなっています。石仏群は「宝蔵院石仏群」と呼ばれ、江戸時代に奉安されたもの。
山号 | 富貴野山(ふきのさん) |
寺院名 | 宝蔵院(ほうぞういん) |
宗派 | 曹洞宗 |
本尊 | 延命地蔵菩薩 |
真言 | おん かかかび さんまえい そわか |
住所 | 賀茂郡松崎町門野173-1 |