第10番札所 藏春院

蔵春院は、第9番澄楽寺からほど近い田京(たきょう)の地にあります。1438(永享10)年に起こった永享の乱で、主君の足利持氏を死に追いやったことに責任を感じた関東管領の上杉憲実が、菩提のために建立した寺院です。

憲実から寺院建立を懇請された宗能禅師がその造立の際に、この地に棲んでいた悪龍を鎮めたという龍神伝説が残ります。 1947(昭和22)年に全山の七堂伽藍を焼失しましたが、1978(昭和53)年11月に本堂が再建されました。

寺伝には、「関東管領足利持氏は、時の将軍足利義教公に反抗し自ら鎌倉将軍と名乗ったため幕府は追討を計り、持氏の家臣である上杉憲実に討伐の命を下した。憲実はやむなく持氏を鎌倉永安寺に攻めて自害させたが、憲実は主君を死に追いやったことを悔い管領職を譲って出家。

主君の菩提を弔うため寺院建立を決意し、多福院(大仁町白山堂)に止錫中の春屋宗能禅師を尋ねて懇請し、白山堂の豪氏宮内五左ヱ門の協力を得て今の地に(永享十一年(1439年))長谷山蔵春院を建立」とあります。

瓦葺の楼門は三間一戸の八脚門で、上層に鐘楼を置いています。本堂は昭和53年落慶。入母屋造桟瓦葺で降棟に照りのあるつくり。向拝柱はなく向拝正面は桟唐戸で左右に花頭窓、上部に「長谷山」の山号扁額を掲げています。

山門
本堂
向拝
山号扁額
山号長谷山(ちょうこくざん)
寺院名藏春院(ぞうしゅんいん)
宗派曹洞宗
本尊釈迦牟尼仏
真言のうまくさんまんだ ぼだなん ばく
住所伊豆の国市田京949-1

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